RADWINPSが君の名はに提供した楽曲名一覧!曲解説とネタバレ
今回は、RADWINPSが『君の名は』に提供した楽曲名一覧をはじめとして、曲解説と共にそのシーンの断片的なネタバレをお伝えしていきたいと思います。
今更あの映画のすばらしさについて言及するのは野暮でしょう。公開10日目にして累計動員数290万人となり、累計興行収入は38億円。宮崎パヤオの後継者と目されているアニメ映画監督の最高傑作。もののけ姫が公開されたときの衝撃と熱気の再来のようです。ついに新海誠は生きる伝説になったんです。
それで劇伴はRADWIMPS。RADWIMPS??筆者もバンドとしてのRADWIMPSは大好きですが、正直少し疑問に思いました。
一生を音楽の勉強に捧げて作曲理論を学びつくし才能にも恵まれたドラマや映画の伴奏専門の作曲家がたくさんいるのになんで?映像に曲を合わせる事をひたむきに研究し続けているプロたちをなぜ使わないのだろう。さすがにそれでは宮崎駿× 久石譲の壁を超えることなどできないんではないかな?と思っていました。
映画を見終わった筆者はエンドロール中、『なんでもないや』とすすり泣きが聞こえる中、涙でしょっぱくなったポップコーンを床に置いてRADWIMPSの名前に土下座しました。ほんと、キャスティングに首を傾げてる音楽関係者に皆々様方は是非一度ご覧になってください。これについて語り出すと永久に本題に入れないので後で詳しく述べます。ミュージカル映画の新しい可能性と捉えることが出来るかもしれません。
早速ですが、劇中で使用されたサウンドトラックが全て収録されているアルバム『君の名は。』全曲の一覧を映画の時系列順にあらすじと共に紹介していきます。
ネタバレを多分に含みます。ご注意ください。
RADWIMPS/野田洋次郎が提供した楽曲一覧
RADWIMPSがリリースした最新アルバム「君の名は。」の楽曲は以下となります。
No. | 曲名 |
---|---|
1 | 夢灯篭 |
2 | 三葉の通学 |
3 | 糸守高校 |
4 | はじめての、東京 |
5 | 憧れのカフェ |
6 | 奥寺先輩のテーマ |
7 | ふたりの異変 |
8 | 前前前世(movie ver.) |
9 | 御神体 |
10 | デート |
11 | 秋祭り |
12 | 記憶を呼び起こす瀧 |
13 | 飛騨探索 |
14 | 消えた町 |
15 | 図書館 |
16 | 旅館の夜 |
17 | 御神体へ再び |
18 | 口噛み酒トリップ |
19 | 作戦会議 |
20 | 町長説得 |
21 | 三葉のテーマ |
22 | 見えないふたり |
23 | かたわれ時 |
24 | スパークル(movie ver.) |
25 | デート2 |
26 | なんでもないや(movie edit.) |
27 | なんでもないや(movie ver.) |
映画をご覧になった方は、曲名を見ただけで数々のシーンを思い出すはず。
あの時、あの場所で瀧と三葉がどんな気持ちで、どんな未来を想像しながら一日を歩んでいたのか。
それを考えるだけで、鳥肌が止まらない。
夢灯籠
この映画がどんな映画なのかが全く分からない状態で始まるオープニング。
軽快なリズムと共に2人の物語が紐解かれていくあの瞬間は、素直にワクワクしていました。
ギターのリバースと切ないアルペジオから始まる、ザRADWIMPSなオープニング曲です。雲を突き抜けて現れる虹色の彗星と星明かりで鮮やかに浮かび上がる新緑、そよぐ風。映像にこれだけ雰囲気を合わせながら曲としても最高。
がっつりいつものメンバー構成での1曲です。
三葉の通学
糸守に住む三葉の通学の風景が描かれるシーンですね。
都会に憧れる彼女と、同級生のてっしーとさやちんが登場します。
始まりの街といった趣のモンハンぽい、画面のシチュエーション(背景やカメラワーク)に合わせたカントリー要素のある曲です。
弦楽三重奏と野田洋次郎によるアコースティックギター、ピッコロ(高音の出るフルート)という構成です。
ハーモニーには少し気になるところがあります。狙っていないのにぶつかっている音があると感じます。
糸守高校
糸守高校で何気ない生活を送っている三葉達の日常風景で使われていましたね。
テレビアニメの日常の場面でよく使われる雰囲気の曲です。汎用性が高そうです。悪く言えばチープです。シチュエーション合わせです。フレーズの尻尾で画面にも合わせています。
野田洋次郎によるピアノ(!?)、弦楽三重奏、ピッコロの構成です。
しかしピアノと楽器の和音が少しケンカしているように感じませんか?少し不得意な分野なのかもしれません。
はじめての、東京
口噛み酒を作る儀式が終り、改めて都会に住む高校生に憧れを抱いていた三葉。
翌日アラームで起こされると、付いていた筈のものが無くなり、無かったものが付いていた。
瀧と初めてめて入れ替わり、初めて見た景色。
三葉の心情の動きと背景両方に合わせている曲です。少し心細いピアノのソロから始まり、車窓を流れるビル群のきらめき、憧れ、行き交う車、三葉が感じているわくわくが画面に溶け合いながら展開していきます。筆者は隠れた名曲だと思っています。最初の部分は化物語で阿良々木暦が何かを解説している時の曲に似ています
憧れカフェ
こちらは、瀧と入れ替わった三葉が、学校の帰り道にカフェに寄っていくシーン、瀧のアルバイト先で奮闘するシーンで使われていました。
ズッキーニをズッキニと発音していたあの感じは可愛らしかったですね。
糸守では、カフェは存在しておらず、21:00で閉まるコンビニと2軒のスナック。
そして、外でコーヒーを飲める唯一の自動販売機。
カフェに憧れていた三葉の感動が伝わってきましたね。
画面のシチュエーションに合わせた曲です。おしゃれな店内、だんだんハメを外していくみつはの行動、増えていく皿にぴったりと合っている曲です。やはりテレビアニメっぽい。
軽いスイングジャズの曲です。
奥寺先輩のテーマ
奥寺先輩のスカートが破けてしまい、縫物が得意な三葉がそれをアレンジして直してあげるシーンで使われていました。
大人っぽいニュアンスが伝わってきます。
名前の通りキャラクター合わせの曲です。明るいけれどもどこかに憂いを秘めた雰囲気の奥寺先輩がよく表現されています。瀧の叶う見込みのない(と本人は思っている)片思いの切なさを交えながら展開していきます。
アコースティックギターとクラリネットのシンプルな構成。
ふたりの異変
はじめての東京生活をリアルな”夢”であると感じていた三葉は、就寝前に瀧の携帯で日記を書いていた。
入れ替わりが終り元の体に戻る。
朝起きた瀧は、その日記や、制服姿で寝てしまっている事に違和感を感じ始める。
そして、三葉は授業中にノートに「お前は誰だ?」と書かれたページを見つける。
徐々にお互いが、入れ替わっている事に気づきはじめた。
画面のシチュエーションと心情合わせ。不思議で、訳がわからないけど刺激的な出来事。みつはと瀧の中身の行き来、時の流れる速さ、ドタバタ劇、爽やかな新緑、なんだかんだ言いながら惹かれていく二人、青春の向こう見ずな疾走感。陽のメインテーマである前前前世に繋がり1度目のクライマックスに持っていくための機能を見事に果たしています。「「入れ替わってるーーーーーー!?!?」」の名シーンはこの曲が生み出したものでしょう。
ボーカルなしのバンド曲。
前前前世 (movie ver.)
違和感に気づき始めた2人は確信した。
「「入れ替わってる?」」
セリフが終わると同時に爽やかなイントロが始まり一気にテンションが上がるシーンです。
東京生活を満喫する三葉。経験した事も無い文化に触れる瀧。
入れ替わりが起こるトリガーは何なのか、どうして入れ替わりが起こってしまったのかを探っていく。
これです。これですよ!!!!ひたすらにひたむきで、むず痒くなるほどまっすぐにRADWIMPS全開。「前前前世から僕は君を探していたんだよ」というこれからの展開を匂わせるフレーズ。
今までの劇伴では、メロディとハーモニーの雰囲気の違いで「これから起こるとてつもないもの」を表現する事になったであろう箇所を、印象的な歌詞一つでも代用できるという大きな可能性を示した曲です。
ボーカル入りバンド曲。メインテーマの位置付け。
御神体
三葉に入れ替わった瀧が、おばあちゃんと妹の四葉と共に、宮水家の御神体に「口噛み酒」を奉納しに行くシーンです。
紅葉した山の美しい風景、そして”結び”。
奉納が終わった頃になると、日は落ちる時間になっていた。
四葉は「かたわれ時」と口にする。
そして、おばあちゃんは瀧が入った三葉の表情を見て口を開く。
「あんた、夢を見とるな。」
前前前世からの急速なクールダウン。悠久の自然と意識の根底にある神の存在。全てを優しく包み込んで、何よりも無慈悲。それに気づかされる瞬間です。初めての感動に圧倒される瀧の心情を表しながら、今後の展開を示唆するメランコリックな曲です。
デート
瀧と入れ替わった三葉が奥寺先輩とのデート勝手に約束してしまっていたあのシーン。
なぜかデートなのに心をぎゅっと掴まれるようなあの切ないメロディー。
まるで、三葉の心を表しているような気もします。
時折、はねるピアノ。
これは、瀧が三葉のことを思い出してしまっている。そんな彼の心境も込められているのかもしれませんね。
秋祭り
こちらも切ない曲に仕上がっています。
瀧と奥寺先輩がデートをしている。
自分から約束を取り付けておいて、何故か涙を流してしまった三葉。
どうして泣いてしまっているのかわからない彼女は、学校休み東京へ出かける。
帰ってきて、おばあちゃんに髪をバッサリと切ってもらい、翌日の夜に秋祭りに出かけて、彗星が落ちてくるあのシーンです。
記憶を呼び起こす瀧
奥寺先輩とのデートが終わると、もう三葉と入れ替わる事が出来なくなってしまった瀧。
男だんだんと記憶が薄れていき、糸守の光景もぼんやりしたものとなっている。
文献に残されていないあの糸守を記憶を辿りながら書いて、それを頼りに三葉に会いに行こうとするシーンです。
必死に記憶から街並みをひねり出し、完成させていざ飛騨へ行くわけです。
飛騨探訪
描いた絵を頼りに三葉に会いに飛騨へ探索に向かいます。あいよ
駅で意外な人物2人と合流し飛騨探索に向かう際の音楽は、そこ隠すっと笑ってしまうシーンにピッタリでした。
高山ラーメン美味しそうでしたね。
消えた町
あきらめかけていたところに、最後の手がかりをつかんだ瀧は期待と不安を胸に、糸守へ向かう。
しかし、その場所には想像もしていなかった光景が広がっていた。
3年前に彗星が落ちた。
つい2、3週間前に入れ替わって喋っていたアイツとの記憶は何だったんだ。
今までの時間は何だったんだ。
自分の記憶が間違っているのではないかと聞かれ、携帯の日記を確認する瀧。
三葉が書いていた日記が文字化けして、どんどん消えていってしまう。
信じられない気持ちや、今までの自分の時間を考えている瀧の様子。
そして、あの場所の凄惨さを表している音楽です。
図書館
彗星が落ちた。
これをまだ受け入れることが出来ない瀧。図書館で以前の彗星落下についての文献を必死で読み漁り、一番見たくなかったものを目にする。
「てっしー」、「さやちん」と呼び合っていたあの2人の名前。
そして、三葉と四葉の名前。
一瞬で消えてしまった町で過ごしていたあの時間は何だったのか、瀧の頭の中をぐるぐると巡る。
窓に映る自分の顔をみた瞬間、おばあちゃんの言葉を思い出した。
「あんた今夢を見とるな」
見ているこちら側も瀧と同じ心境にさせてくれた、どんよりとしたメロディーです。
旅館の夜
旅館に帰ってもなお、図書館から借りた文献を読みふける瀧。
そして、瀧は奥寺先輩に言われて初めて気づいたことがあった。
腕に付けているその正体は、いつ、どこで、誰に貰ったのか。
三葉の名前すらも思い出せなくなってしまっていた。
様々な事を考えている間に寝落ちしてしまった瀧は、どこからか聞こえてくる彼女の声で目が覚める。
「瀧君、覚えてない?」
何かを思い出せそう。だけどそれが一体何なのかはハッキリと分からない。
そんな彼の思いが伝わってくる曲です。
御神体へ再び
旅館にて、御神体の存在を思い出した瀧は、早朝に高山ラーメン店主に山まで乗せてもらっていた。
土砂降りになりながらも、必死に上を目指す瀧、彼のひたむきな心情を映し出すイントロのピアノには、心を大きく煽られました。
あの場所に行けば何かわかるのでは…といった不安のようなニュアンスもヒシヒシと伝わってきます。
そして、ついに見つけた御神体。
御神体の周りはあの時と少し変わってしまっているけれど、まだ存在していた事に涙が溢れてくる瀧の姿はたまらなく涙腺を刺激されました。
口噛み酒トリップ
口噛み酒を飲めば何かが変わるかもしれない。
しかし結果は、何も起きず。
諦めかけて立とうとした瞬間、体勢を崩して、スマートフォンの明かりが天井を照らす。
そこには彗星が描かれていた。
以前にもこのような事が起きていたこと、三葉の姿、宮水の過去。
そして、瀧は三葉に入れ替わることが出来た。
美しいアニメーションと、音楽が融合してまさに芸術であることを再実感するシーンでしたね。
作戦会議
三葉の体に入れ替わる事が出来た瀧が仲間と共に、町民を安全な場所に逃がそうと、作戦を練るシーンで使われていた曲ですね。
この曲に関しては、RADWIMPSらしさがグイグイ前に出ていると感じます。
三人の焦っている気持ちが伝わってきますし、どこか「行けそう」といった気持ちにもなってきます。
町長説得
三葉の父親を説得しに行く瀧。
しかし、全く相手にしてくれない父親。「宮水の血」これについて、嫌気が指している彼の気持ちも伝わってきます。
そして、我慢できなくなった瀧が「バカにしやがって」と胸ぐらをつかみかかる。
父親の目には三葉ではない誰かであることが分かっていた。
「お前は誰だ」
この言葉がここでまた使われるとは思ってもいませんでした。
三葉のテーマ
瀧とのデートが気になってしまい、我慢が出来なくなって東京に出かけていったあの時の曲です。
もしかしたら会えるかもしれない。数え切れない人が居たとしても、二人なら分かるはず。
慣れない東京で、瀧を探し回って時折、休憩している三葉。
やっぱり会えるわけないか。と諦めて駅のホームで腰を下ろす三葉。
ホームに電車がやってくるその瞬間、三葉は何かに気づいて前の車両を目指して走る。
ドアが開いて人混みをかき分けた先に瀧が居た。
「瀧君、覚えてない?」
この言葉を投げかけても、瀧は三葉の事を全く知らない様子だった。
そこに瀧が居るのに、やりきれない三葉は諦めて駅で降りる。
彼女が降りる間際、瀧は名前を聞き、三葉は組紐を渡す。
一瞬曲が止まって、次の瞬間2人が出会う事が出来たあのシーンは、言葉では表すことが出来ない感情が押し寄せてきました。
見えないふたり
三葉の父親を説得しに行ったが、結局あしらわれてしまった瀧。
焦る気持ちと、次の一手を考えている。
そして、瀧の視線の先に合ったのは御神体。
「そこに居るのか」
てっしーの自転車を借りて全速力で御神体を目指す瀧。
御神体の中で目を覚ました、瀧と入れ替わった姿の三葉。
瀧が御神体の近くで三葉の名前を呼ぶ。
三葉も瀧の名前を呼んだ。
お互いの声が聞こえているのに姿は見えない。
2人が近づくとお互い手を伸ばすが、触れることはできなかった。
かたわれ時
触れることが出来ないお互いの手。
そして2人はある事に気づく。
「「かたわれ時だ」」
瀧は一瞬笑って目をつむる。
そして、三葉の名前を呼ぶと、そこには紛れもない彼女が居た。
お互いの姿は元に戻っており、今までの話、彗星の話をする。
そして、瀧は2人が2人を忘れないように、手に名前を書いておこうと三葉に話す。
瀧が書き終わり、三葉が瀧の手に文字を書こうとした時、ペンは地面に落ちた。
その場に崩れる瀧。
大丈夫。名前は憶えている。
そう言い、彼女の名前を叫び続け、自身の手にその名前を書こうとした頃には、彼の中の三葉という名前の記憶は消えてしまっていた。
ようやくお互いが、お互いを知っている状態で出会う事ができた瞬間です。
音楽が途中で消えてしまう時にはどうしようもない気持ちになってしまった方も少なくないでしょう。
スパークル
スパークルが流れはじめ、瀧の姿が遠ざかっていくわけですが、筆者はここで終わってしまうのかと思い泣きそうになっていました。
結果的に、三葉が三葉自身の体・心で宮水を救いに行くシーンに使われた曲だったわけですが、不安と期待が交差しまくっていました。
逃げない町民に焦る三葉とてっしー。
振るえた声で、放送を行うさやちん。
そして、いつのまにか瀧の名前を忘れてしまっていた三葉。
傷だらけになりながら、彗星が欠け始める光景を目にしながら必死で、父親を説得へ。
三葉が本当の三葉であると確信した父親が彼女の名前を呼ぶ。
世界中が彗星の美しさに注目し、曲は終盤で彗星の落下と共に無音に。
この瞬間は色々と鳥肌が立ちましたねー。
デート2
デートの続編の曲ですね。
ちょっぴり切ないメロディラインですが、なんとなく前向きな気持ちな瀧の気持ちが散りばめられている気がします。
大学生になって就活惨敗中の瀧の元に、久しぶりに会いに来た奥寺先輩。
彼女の薬指を見て、瀧は何を思ったのか。
自分の気持ちに迷っていた感じがする以前の瀧とは違った表情をしていましたね。
なんでもないや
先輩が帰った後に、バスドラから曲が始まります。
シーンは瀧が就職をした後に変わっています。
糸守に居た人達が東京で働いている描写、四葉が元気に学生生活を送っている風景。
そして、別の電車には三葉が乗っていた。
瀧と三葉が乗った別々の電車は同じ方向に進んでいく。
お互いドア付近に乗車しており、三葉が瀧に気づき、間もなく瀧も彼女の存在に気づく。
次の駅で降りてお互いを探し回る。
階段の上立つ三葉。その下に居る瀧。
少し見つめ合って、2人はその階段を進んでいく。
またすれ違ってしまうのかと、悔しそうで、悲しそうな表情をする三葉。
それは瀧も同じだった。
階段を登り切った瀧は、若干恥ずかしそうに、彼女に声をかける。
涙を流しながら微笑み合う2人。
「「君の名前は」」
このように、驚くほど様々な要素が絡み合っている新海誠の映像とRADWIMPSの音楽。ただならぬ信頼関係があることが見て取れます。
映画音楽の常識を変えたRADWIMPS
楽曲提供や挿入歌ではありません。
通常、映画音楽は、裏方に徹しています。キャラクターの心情に合わせた曲、キャラクターごとに定められたテーマ(メロディー)、映像のシチュエーション(場所やカメラワーク)に合わせたもの、画面の中の要素の細かい動きに合わせる手法(ミッキーマウシング)、どす黒い映像に底抜けに明るい楽曲をつけて歯車が狂ったような雰囲気を出す手法などがあります。
そのどれもが大抵は歌なしのインストゥルメンタル楽曲として作られています。
歌は印象を残す作用が強すぎるので、映像の邪魔をしかねません。強い毒にも、強い薬にもなり得るものです。そのためここぞという場面で1度や2度だけ使われるのが一般的です。
歌入りの楽曲はとても使いどころが難しい、というのが劇伴作曲家にとって通説となっています。
しかし、今回の映画においてそうした常識を覆すような音楽の使われ方がされていました。劇中歌兼劇伴として使われたRADWIMPSの楽曲はどれも単独で作品として確立されている印象の強い歌詞と伴奏でした。
歌と歌詞の意味に合わせて展開する映画はミュージカルのようで、それでもあくまで「映像を引き立てるための音楽」という一線は保っている、脅威のバランス感覚です。曲自体にすごいパワーがあるのに目立ちすぎず高め合えるって本当なんなんでしょう、野田さん。
ハーモニーの荒削りさこそ目立ちますが、歌ものには難しかった劇伴というものを、歌でしか出来ないもので再評価させてくれた曲の数々でした。

munacho

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GJ ありがとうございます。
あそこでかかっていた曲なんだっけ?の時とても役に立ちました。
ひとつだけ。
何箇所か、サヤちんが かよちんになってます。